○一は全・全は一●

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個人も企業もサプライズ

株式投資の世界では企業が決算でポジティブサプライズを出すことを非常に重視しています。ポジティブサプライズとは、各証券会社のアナリストが予想する数字を大幅に上回る業績を出すことをさします。

 

マスコミの報道では昨年比で何%成長したといった内容のみが取り上げられますが、常に先を織り込もうとする株式市場では、未来を織り込んだアナリストの予想を上回るかどうかがより大切になります。

例えばNetflixは2013年から株価が急成長し、今では10倍の値段をつけています。

同時期、同社の決算はアナリストの予想を30〜60%上回るポジティブサプライズを出しています。また、EPSで言えば前年比で50%以上の成長を遂げます。

 

ヤフー、グーグル、マイクロソフト、リンクドイン、アポロ、アムジェン・・・・・

数え上げればきりがありませんが、市場から資金と人材を集め大きく成長した企業はすべからく上場から10年以内の若い時期に、誰もが目を見張る業績を出しています。

 

 

これは個人のキャリアにもそのまま当てはまります。

日本の企業は通常、新卒採用をしてから3年間は育成期間だと見ています。

(今はだいぶ変わってきていますが・・・)

特に最初の一年は営業では大した目標を背負わせることはなく、経理や広報などのバックオフィスの職種ではデータ入力は情報収集などの雑用が仕事の大半をしめます。

 

社会人として第一歩を踏み出したばかりで、初めて自分の言動に責任を持つようになる

新社会人はそんな簡単な仕事でもいっぱいいっぱいになってしまいます。

営業するエリアに詳しいわけでもなく、担当する製品をこれから勉強しなければならず、取引先のビジネスモデルを想像して相手の本質的なニーズをつかめるスキルは持ち合わせていなく、それ以前に名刺交換の仕方から学ばなければならなりません。

そんな状況ではほんのすこしの売り上げを立てるにも大変でしょう。

 

でもまだ大した責任が降りかかってこないこの時期こそ頑張り時です。

同じ企業で5年か10年働いたセールスマンが営業目標を500%達成することは極めて困難なことです。5年も働けば企業からは一人前と見なされ、営業目標も高くなります。期待が高くなった状態ではそれを大きく上回るサプライズを出すのはとても難しいことです。

しかし、まだ大した目標が課されていない1、2年目であれば例えば500%の達成をすることもやり方次第では達成できます。社会にも仕事にも慣れていない状態では大変なことも多いでしょうが、「高い期待を上回る」ことに比べれば全然楽なことです。大変な状況の中でも更に一歩踏み込んで努力し、圧倒的な実績を残す人に、組織は資金とお金を投資し、大きな仕事を任せるのです。富豪にますます富が集まるように、早期にそういう経験をした人の元に仕事とチャンスが集まります。

 

 

会社の先輩や上司はよく、「今が頑張りどき」「最初の5年は死ぬ気で働け」と言ったアドバイスをしますが、その理由をしっかりと説明できる人は少ないと思います。

その理由を投資家の目線から説明すると「眼を見張るようなポジティブサプライズを出せる数少ないチャンスが最初の数年にあり、それを活かした人間には大きく成長するチャンスが訪れる」からです。

 

5月を乗り越えて6月病になりかかっている新社会人が一人でも多く、先を見据えて今を生きられることを願いたいものです。