○一は全・全は一●

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今の相場観

7月23日時点で、「今はキャッシュポジションを増やし、空売りプットオプションの研究をしながら、タイミングを伺うとき」だと考えました。

それから1ヶ月経った今、空売りは着実に成果をだし、利益をもたらしてくれました。僕は特別な事情がない限り、計画利益に達した場合は一度利確をします。なので、今はまたキャッシュポジションを増やしています。

 

これからについては、基本的に方向性は変わらないと思います。

理由は前回と同様、世界景気のリスク要因が何一つ改善されていないからです。

中国は今回の上海株下落を受けて、悲観ニュースの報道規制をしています。人民元の切り下げを行ったときには、ようやく正常な景気対策を始めたかと思いましたが、どうやらそれはSDRに人民元を採用してもらうためで、景気対策に関する政府の方向性は変わっていないです。

コントロールが効かない株価の下落は政府への信頼失墜につながり、それは供給過多になっている不動産価格の下落と銀行破綻の連鎖へと続くでしょう。

 

GDP世界第2位の中国が負の連鎖へと入れば、数日前にみたアジア諸国の通貨危機はより一層ひどい状態になると思います。円への直接的な影響は限定的かと思いますが、世界景気が後退局面に入れば、日本もその影響を免れることはできません。

 

これからの方針としては、日本株は引き続き空売りプットオプションの対応、そして米国株を買うべきだと思います。なぜならば中国の現状を横目に、米国が9月に利上げをする可能性は極めて低い状態になりました。そのことはシカゴ先物の価格から確かめることができます。

 

一方で為替は昨日、対ドルで一旦116円代まで下げたものの、本日また120円まで戻っています。為替市場ではまだ利上げを織り込んでマーケット価格が動いています。

 

一般的に、金利と株価は反対の動きをします。金利が高ければ株価は低くなりがちで、金利が低ければ株価は上がります。利上げが遠のくことは株価にとっては好材料なのです。また、利上げの延期は市場をドル安方向へと誘導します。

 

そうすると日本企業には厳しく、米国企業にはビジネスがしやすい環境になります。米国企業のファンダメンタルはより一層強くなるでしょう。

 

アジアの諸国の通貨危機も、最大の問題は各国のドル建債務が多いことです。

 

以上のことを考えれば、チャイナリスクを抱えた世界の中で、米国への影響だけは限定的です。加えて利上げが遠のくことは米国景気にプラスの影響を与えますので、米国株はそろそろ反転するでしょう。

ここで仕込めば、株価の上昇分と為替の変動分の両方の利益が取れる可能性が非常に高いです。

 

相場の先読みは当たるも八卦、当たらぬも八卦ですが、今現在の市場の声に耳を傾けたこの読みは当たって欲しいものです。