マネーショート 面白かった!
サブプライムローンが抱える問題をいち早く見抜き、経済が破綻する事に賭けてリーマンショックで莫大な利益を稼いだ4人がいた・・・・。
その実話をベースに作られた「The big short」が3月4日の金曜日から日本でも公開されました。日本語タイトルは「マネー・ショート 華麗なる大逆転」です。
公開前からずっとみたかったのですが、本日ようやく見る事ができました。映画をみる前はコメディ要素を多く含む映画かと思っていましたが、実際はとても淡々と描写された映画でした。映画の中にはとても強いメッセージが込められている一方で、扇動的な表現ではなく淡々と当時の情景を描くことで、逆にみる人には強いインパクトを与えられる映画になったんじゃないかなと思います。(※映画評論家ではないので、あくまでも個人的な感想です。)
物語は住宅市場がバブルと化している事とサブプライムローンが抱える問題に気づいた一人の男が、それらに関連する金融商品を空売りできないかと考えるところから始まります。その男が莫大なお金を稼ぐ過程を描いているのですが、同時にリーマンショックを引き起こすまでの金融機関や格付け期間がどのように行動したのか、住宅市場に起きた問題がなぜ世界を巻き込む大不況を引き起こす事になってしまったのかについて詳しく描写されています。
個人的にはとても面白かったのでぜひオススメしたいのですが、一つ問題点があります。それは、物語の背景となるサブプライムローン問題やその当時一世を風靡したMBS、CDO、CDSなどの金融商品に関する知識がないと、おそらく最初から最後までよく分からないまま映画が終わってしまう事です。もし映画を見に行く際には、事前にこれらの言葉を調べてから行く方がいいと思います。
さて、映画の中では金融危機が起きるまでの銀行や格付け機関を批判していますが、個人投資家として学ぶべきとても重要な教訓が一つあります。
それは「よく分からないものには手を出さない」です。
リーマンショックの際に、持っていた株で大損をしてしまったという人は多くいました。さらに悪い事に素人に毛が生えた程度のファンドマネージャーが個人投資家からお金を集めてCDOを買って、結局紙くずに成ってしまったという例も数え切れないほどあります。
投資はギャンブルではありません。株を買うときには必ずその株が上がると予想する理由があるはずです。それは同時に、その理由がなくなってしまったら即座にその株を売るという事を意味します。つまり買うときにはすでに売る条件も決めているのです。
しかし、内容もよく分からないような金融商品では内包するリスクも分からなければ、どういう条件に成ったら売るべきかを考える事もできません。これに手を出すのはギャブルです。
投資をするときには必ず、「なぜその商品を買うのか」を人に説明できる状態で買ってください。これは投資家の間ではよく言われる事ですが、映画をみながら改めてその大切さを思い出しました。
Never invest in a business you can’t understand.