○一は全・全は一●

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【日曜に考える】新社会人へ

先週の金曜日から新年度が始まり、新たに社会人となった人は今まさに新たな世界への第一歩を踏み出したところでしょう。自分の新人時代がもはや懐かしいです。

期待と不安が入り混じっている頃でしょうが、社会人は楽しいです。学生とは異なる辛さ、大変さもありますが、見える世界が格段に広がります。プライベートをとってみても、体力があって今までと比べればお金にもそんなに困らないようになって付き合う人の幅も増えます。

これからの社会人としての長い長い生活をぜひ楽しいものにしてもらいたいと願うばかりです。

 

さて、新社会人はこの時期、いろんなところで「社会人」という言葉を聞く異なると思いますが、「社会人」とはどんな人を指すのでしょうか。

Wikipediaによると

社会に参加し、その中で自身の役割を担い生きるのこと

と説明されています。言葉を変えていえば、自立して社会と向き合うということだと思います。新社会人が最初に向き合う社会はやはり就職先の会社です。学生時代とは違う能力、違う人間関係、違う時間の使い方が求められます。最初は戸惑うことも多いでしょう。

学生時代の試験問題には正解が存在しますが、社会人として向き合う問題のほとんどは唯一絶対の正解がありません。

学生時代にもスポーツや恋愛などどんなに努力をしても報われないと感じるものはありましたが、社会人になると仕事で努力が報われないと感じる頻度は格段に増えます。

入社初日の社長のスピーチでは「フレッシュな気持ちで会社に新しい風を入れてほしい」と言われたものの、実際に新しい提案をしてみたら、よく分からないルールや過去の慣習で却下されたりと、理不尽な場面に多く出会ったりします。

そんな経験を重ねていくうちに、大半の人は潰れてしまうか染まってしまいますが、潰されず、染まらずに前に進み続けることができる人のみがその後の楽しい人生を謳歌できます。報われない世の中、理不尽な世の中を客観的に認識しつつも、自分の欲望を人生の中心に据えて行動し続けられた人だけがより豊かな人生を送れます。

 

会社に入れば、多くの上司や先輩は最初っから「新人は何もわかってない」というスタンスで接してきます。新人なので実際わかっていません。謙虚に学ぶ姿勢はとても大切です。

しかし、先輩や上司を神格化して言われたことを咀嚼もせずに飲み込むのはよくありません。言われたことに対しては一旦自分の中で否定したほうがいいです。考えて見てください。日々のニュースで報道される企業の経営不振、リストラ、倒産、そして犯罪行為の数々。ニュースで報じられるのは企業名ですが、全て人がやっていることです。社会人の先輩は決して聖人君子ではありません。ただ何年か前に社会人になっただけの人間です。能力不足で間違いを犯すこともあればそもそも指導に向いていない人も多いです。何より人間としての欲望があり、後輩のためを思ってというよりも自分が気持ちいいように発言し行動することも多々あります。

今接している人たちの中で、10年後にも「本当にこの人は尊敬できるなぁ」と思える人はほんの一握りでしょう。残りのほとんどの人は大したことないのです。そんな人の言うことを鵜呑みにするなんて、こんなに怖いことはありません。

 

何か言われたら否定する理屈を考えて見ましょう。そしてその後に、自分が考えた否定の理屈をさらに否定しましょう。それを何回か繰り返していく過程で、先輩に言われたことの利害両面が見えてくるようになります。

利害の両面を見た上で、言われたことが正しいと思うのであればその通りに動けばいいです。しかし考えた結果やっぱり納得がいかないのなら、一度話し合って見たほうがいいです。話し合っても「いいから言われた通りにしろ」と返されることは多々有ります。立場上言われた通りにするしかない状況も沢山あります。それはそれでいいのです。大切なのは、自分で考えたというプロセスです。社会人1年目が取る行動なんて、大した影響力はありません。そんな段階で結果を気にするよりも、自分が成長できるプロセスを気にしたほうがいいです。自分で考えるというプロセスを通して、自分の核をつくる。その核に経験の栄養を与えて大きくしていく。それが成長です。

 

繰り返しになりますが、社会人が出会う問題のほとんどは唯一絶対の正解が存在しません。そんな問題に対応するとき、その利点と弊害あるいはリスクを考慮した上で行動する人と、とっさの思いつきで行動をする人では天と地ほど違います。利害を考慮した上で、成功率が高い解決策を提案できる人間になりましょう。

 

成長は早いにこしたことはありません。会社の先輩のアドバイスは組織がうまく回るように、仕事がスムーズに進むようにするためのもので、そこに後輩の幸せは考慮されていません。自分の幸せは自分で見つけ、自分で勝ち取るしかないのです。早く成長して、幸せを掴む道中に他人の横槍を入れない人間になりましょう。

 

この変化多き時代をぜひ楽しみましょう。