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○一は全・全は一●

マーケット分析、投資手法の紹介記事がメインです。投資に関する意見や質問はお気軽にコメントください。ブログ紹介:http://skoumei.hatenablog.com/entry/2016/04/30/173822

【土曜に考える】プロフェッショナル論

新社会人の方は入社して1週間が経ちましたね。

どんな1週間だったでしょうか?

初めての社会人としての仕事にドキドキしたり、あの人すごいなぁと思える先輩を社内に見つけ、目標にして頑張ろうと気持ちを再確認したり、あるいは早速教育研修の成果や仕事で思うようにいかずに落ち込んだりしたのではないでしょうか。もちろんまだなんだか実感がわかない方も多くいると思います。

 

思い返してみれば、僕が社会人になった最初の1週間は研修が続きました。途中で何回かチームに別れて、学んだことを資料にまとめて先輩の前でプレゼンする機会がありましたが、他のチームよりも高い評価が得られず悔しい思いをしました。

もともとの負けず嫌いの性格とその悔しさからか、研修を終えて部署に配属された時は誰にも負けまいと息巻いて仕事をしていたのを覚えています。

 

気づけばそんな僕も社会人となって5年以上経ちました。新卒の時に人材業界で働いていたことあり、多くのビジネスパーソンと多くの仕事観に出会えるチャンスがありました。そんな僕が過去を振り返り、新卒時代の自分に伝えたいプロフェッショナル論を書いて見たいと思います。

 

一言にまとめるならば、「小さく始めよう」というお話。

 

 

今はネット上に多くのメディアが生まれ、成長しています。ネットメディアは従来最大のメディアであったテレビと比べて圧倒的に多くの人、広い視聴者層と読者層にリーチできます。それはつまりテレビと比べて広い分野のコンテンツを提供できるということです。

「プロフェッショナル論」や「仕事観」というカテゴリーもネットメディアの登場によって、世の中に浸透したテーマの1つだと思います。専業主婦や学生をメインターゲットとしていたテレビでは仕事観に焦点を当てたコンテンツはわずかしかりませんでした。社会の第一線で働いているプロフェッショナルの方は世の中に対して自分の仕事観を発信する場が少なく、一方でこのテーマの需要者であるビジネスマンも、実際に目の前に新しいコンテンツを提示されるまで「プロフェッショナル論」に対する自分の欲求を知らずにいました。

ネットメディアはこの潜在ニーズに対してコンテンツを企画し、提供することによってプロフェッショナル論というテーマを世の中に根付かせると同時に多くのタレント経営者を生み出しました。

ソフトバンクの孫さん、サイバーエージェントの藤田さん、DeNAの南場さん、楽天の三木谷さん、SNS株式会社の堀江さん、などなど枚挙に暇がありません。

※念のために言っておくと、ここでいうタレントとは芸能タレントではなく、素晴らしい才能を持ち世の中から注目をされているという意味です。

 

皆さん非凡な才能を持ち、そして誰よりも努力をしてきたのだと思います。そんなタレント経営者の方々が発信する自らの仕事観が今の世の中のプロフェッショナル論の起源であり、今このテーマについて発信する側にいる多くの人が、この方達の影響を受けているのではないでしょうか。

 

もちろん仕事観は人それぞれ違いますが、上記の方々の仕事論は共通してストイックでエネルギッシュです。普通の人からしたら圧倒されるような、怖気付いてしまうような内容です。

 

常に世界を意識しなければ攻め込まれる。ーーー孫正義

ビジネスは結果が全てです。ーーー南場智子

過去と未来を見ている暇があったら、今目の前の仕事に全力を注げ。ーーー堀江貴文

 

どれも世の中を深く洞察し、そして豊富な経験から出てくる言葉だと思います。その内容に異を唱えるつもりはありません。ただ、上記の言葉をはじめとした世の中のプロフェッショナル論をあまり真に受けすぎてしまうと、とても危険な場合があります。

他人の主張を目にした時、人の反応は3つに分けられます。

 

①無関心

②肯定

③否定

 

 

①の無関心は、「へぇそうなんだ。まぁ私には関係ないけどね。」という反応を指しますが、この中には「なるほど、こんなこと考えるなんてすごいなぁ。でも私は孫さんや堀江さんみたいに才能もないし、そんなにがんばることもできないしプロフェッショナルにはなれないなぁ。」と内容には賛同するものの、自分の成長の糧として生かすことができない状況も含みます。

②の肯定は、プロフェッショナル論に関する著書などを読んで「なるほど、その通り!私も頑張ろう。」と素直に反応することです。

反対に③の否定は、「この主張は間違っている!世界なんて関係ない日本のローカルでやっていけるビジネスだってある。結果結果っていうけどプロセスだって大事だろ。将来のことも考えずに目の前のことだけやってる人のことを近視眼的って言うんだ。」といった反応です。

 

これらの反応のうち、僕が危険だと感じるのは①と②の反応です。ただし、決して否定しろと言っているのではありませんので、勘違いをしないでください。

 

 

プロフェッショナル論に対して怖気付いてしまうのは実にもったいないことです。まだ十分な経験もなく、社会をよくわかっていないのに、自分には無理だと決めつけて自分の可能性を限定してしまうのはやめましょう。

今は世界中で利用されているフェイスブックの創業背景をご存知でしょうか。当時、女の子にもてなかったマーク・ザッカーバーグが振られた腹いせに、ハッキングして入手した大学の女子学生の写真を公開し、みんなで投票して可愛い子を決めようという考案したゲームが、世界中に広がるフェイスブックというサービスの始まりです。

日本のある大手警備会社の創業者は若い頃、複数の女の子と遊んでいて、自分がいないときの女性の安否が心配で相手の家を警備するカメラをつけていたそうです。それが今や誰もが知る大手警備会社の創業のきっかけとなりました。

そこには、高い志もプロフェッショナル意識もありませんでした。それでも、今は世界中の人々に価値を提供し、多くのプロフェッショナルが働く企業になりました。

ここにあげたような大きな事業をしなくても、人それぞれに価値があります。その価値を世の中に提供し、受け取った人が素晴らしいと感じてくれるのであれば、十分プロフェッショナルだと言えるのではないでしょうか。自分の可能性を限定してしまわず、自分が提供できる価値を探し、そして磨きつづけていきましょう。

 

一方で、「よしわかった。じゃ孫さんみたいになれるように私もがんばる。」と肯定し、それをモチベーションにするのも危険だと思います。なぜならば、目標までの道のりがあまりにも遠すぎるからです。途方もない遠くの夢を掴むには才能と運を持ち合わせ、最大限のエネルギーを注ぎ続けなければなりません。今はやる気に満ちていて、がんばるつもりでも気持ちというものはそこまで長続きするものではありません。途中でしんどくなって、挫折してしまう可能性が非常に高いです。

 

新人時代の僕自身がまさにそうでした。野心をモチベーションに一時は頑張りますが、経験を積むごとに道のりの遠さに気づくようになります。そこに失敗が重なると今度は自分には無理だと諦め、無関心に近い状態になります。それでも毎日、次々と仕事は増えていきますので淡々と無感情に仕事をこなしていくようになります。

幸運だったのは周囲の人のおかげである時、遠くを見すぎていたせいで視界に入っていなかった目の前のことが見えるようになったことです。目の前の顧客が満足する姿が様やく見えるようになりました。失敗の方が多かったですが、それでも中には僕からの提案に満足して喜んでくれたクライアントがいました。そのことに気づいた時、仕事に充実感と喜びを感じました。気づいてしまえば当たり前のことですが、遠くを見すぎていると目の前にあっても気づかないものなんです。

 

 

今、新人時代の自分にアドバイスをするとしたら間違いなく「小さい目標から持ち始めよう」と伝えます。

明日にでも達成できる小さな小さな目標でいいのです。先輩が作成する提案書に一行でいいから自分の意見を入れてもらえるよう価値ある発信を続けるうとか、会議で1つでいいから新しい切り口を提案するとか。そうやって小さい成功体験と失敗体験を重ねていきましょう。

世の中には多くのプロフェッショナル論がありますが、気にしないようにしましょう。少年は大志を抱く前に、小さな経験を積み重ねることが大切です。

人間のモチベーションなどそんなに長持ちするものではありません。ほっておいたら人間は皆、三日坊主です。それでも大きな成果を出せるのは、その道のりで一定期間ごとに報酬を得ているからなのです。小さな目標に対していっぱい成功体験を積みましょう。どんなに小さくても、うまくいったらうれしいものです。その小さな喜びを糧に次の小さな目標に向かって歩き始めましょう。失敗することもあるかもしれません。それでもいいのです。うまくいかない方法が1つわかっただけでも、次に失敗をする確率は下がります。

経験は人間の能力を向上させます。そしてそれ以上に速く人間の認識を変えます。小さなPDCAサイクルを回し、多くのフィードバックを得ることで、見える世界が断然広くなります。今までと同じ風景を見ていてもその異なる一面を見ることができるようになります。そうして経験に基づいた広い視野を持てるようになって初めて、大志を抱く時がきます。途方もなく遠い夢でも、どこか地に足がついていて、そして揺るぎない自信を持って目指すことができるようになります。まだまだ自分はプロフェッショナルと言えないとしても、泰然として自分が目指す方向に前進し続けることができるようになります。

 

そんな時が必ずきます。

だから、最初は焦らず小さく始めましょう。