○一は全・全は一●

マーケット分析、投資手法の紹介記事がメインです。投資に関する意見や質問はお気軽にコメントください。ブログ紹介:http://skoumei.hatenablog.com/entry/2016/04/30/173822

投資法っていろいろあるけど・・・

世の中にはいろんな投資法があります。どの投資法にも長所と短所があり、うまく使いこなすことができれば強力な武器になります。正解は一つではなく、いろいろある選択肢の中から自分にあったものを選んで磨くことが大切です。

 

もっとも有名な分け方としてはバリュー投資とグロース投資という分け方があります。

また、ネットや本屋の投資コーナーに行ってみると、以下のような投資法もよく目にします。

 

・テクニカル投資法

・ファンダメンタル投資法

グローバルマクロ投資法

・モメンタム投資法

・順張り投資法

逆張り投資法

ドルコスト平均法ナンピン買い)

スイングトレード

 

選択肢が多いのはいいことですが、あまりにも多くの投資法があって、いざ投資を始めて投資法を勉強しようとすると、いったいどこから手をつけていいのかわからなくなってしまう、なんて事も多いと思います。そこで、様々な投資法を理解するのに役立つポイントを紹介し、皆さんが投資法を学ぶ際に参考にしていただければと思います。

ここで紹介するポイントを覚えておけば、新しい投資法を見た時でも入門書を眺めるようにその内容が頭に入ってきます。ぜひ活用してください。

 

実は投資法を理解するのは以外と簡単です。以下の3つのポイントを押さえるだけで、大まかな内容をつかむ事ができます。

①理念

②分析方法

③投資期間

ある人の体型を知りたかったら、身長と体重がわかればある程度想像がつきますよね。

それと同様に、難解に見える投資法も、この3つの視点を通してみるとその概略が見えてきます。

 

①の理念について説明します。

あらゆる投資法はその前提となる理念があります。例えば、「市場は正しい。株で儲けたかったら市場にしたがってトレードをしろ。」という理念があります。反対に「市場は気まぐれでしばしば間違える。そんな市場での株価に振り回されず、企業の価値を正しく判断して投資をするべきだ。」という理念もあります。また投資法によっては「そもそも市場の先行きは読めない。」という理念もあったりします。

理念は投資法の基盤であり、とても重要です。どんな投資法でもその中で紹介される手順は、前提となる理念があって初めて成り立つものです。なのである投資法に出会った時、必ずその前提となる理念はなんだろうと考える癖をつけてください。

その前提となる理念に納得できるのであれば、それは自分にあった投資法である可能性がグッと高まります。

 

とはいえ、最初から理念に同意できるかどうかを判断するのは難しい事だと思います。でも多くの投資法を目にすれば、自然と自分の意見を持てるようになります。ぜひいろいろな投資法に触れて、その理念はなんだろうと考えてみてください。

 

今回の記事は「いろんな投資法を理解するポイントを伝えること」を目的にしていますので、僕自身がどんな理念に基づいて投資をしているかはまた別の機会に紹介したいと思います。

 

 

②の分析方法について説明します。

分析方法は大きく分けて"テクニカル分析"と"ファンダメンタル分析"があります。

どの投資法も必ずこのどちらか、もしくは両方を使って市場全体や個別銘柄を分析しています。ある投資法について紹介する時、①の理念と違ってどんな分析方法を使っているかは具体的に書かれていて分かりやすいのが普通です。そのため、ここではテクニカル分析ファンダメンタル分析がどんなものなのか、それぞれの分析法でどんな事に注意すればいいか、について紹介したいと思います。

 

まずテクニカル分析ですが、これは乱暴に言い換えればチャートをみるという事です。日々の売買高がどれぐらいだったか、5日移動平均線から何%乖離しているか、過去14日間の株価の上がり幅と下がり幅はそれぞれどれぐらいだったか、などを見ていく分析方法です。

テクニカル分析は対象とな指標が多く考えだされています。全部説明したらそれだけで500ページの本が書けると思います。僕は全部を知る必要はないと思いますが、なるべく多くの分析方法を見てみたいという方には、「投資苑」という本をお勧めします。

 

Amazon.co.jp: 投資苑 - 心理・戦略・資金管理: アレキサンダー エルダー, 福井 強, Dr. Alexander Elder: 本

個人的な感想としては紹介文にあるようなマネーマネジメントや投資心理が身につく事は正直ないと思います。ただそれでも、テクニカル分析の幅広い手法が網羅されており、一読した後も辞書として手元に置いておくのはいいと思います。

 

テクニカル分析は過去の統計をより所としています。天気予報に近いものだと考えると身近に感じるのではないでしょうか。

1つ例をあげてみると、「騰落レシオ」という指標があります。これは過去の一定期間において、(値上がりした銘柄数)÷(値下がりした銘柄数)を%で示した指標です。

過去の市場の動きを見てみると、騰落レシオが120%を超えたら過熱気味(つまりそろそろ下がるだろうと予想される)、80%を下回ったら落ち着く(つまりそろそろ上がるだろうと予想される)事が多かったようです。なので、騰落レシオが"80%を切ったら買い、120%に達したら売る"という戦略が考えられます。

 

テクニカル分析の注意点としては天気予想と同じで、100%当たる指標はありません。なので、1つの指標を過信せずに複数の指標を組み合わせる方がいいと思います。けれど複数の指標を組み合わせたとしても100%の的中率にはなりません。くれぐれも過信は禁物です。テクニカル分析を用いる際は"間違えるかもしれない"という事を常に念頭に置き、間違えた時の対処法を事前に準備した上で投資をする事を忘れないでください。

 

次にファンダメンタル分析について紹介します。

ファンダメンタル分析とは景気、金融動向、そして企業の業績や財政状態などに注目して将来の株価動向を判断する方法です。マーケットを見る時にはGDP失業率、為替、金利などに注目します。個別銘柄を見る時にはその企業の売上、利益、自己資本比率ROEなどに注目します。

テクニカル分析と違い、ファンダメンタル分析は指標がそこまで多くありません。ある程度"型"が決まっています。どんな投資法であっても、その分析手法にファンダメンタル分析を用いるなら、大体同じ項目を見る事になります。なので、ファンダメンタル分析に関しては入門書を一冊読み、その概要を把握しておいた方がいいかと思います。

 

お勧めとしては公認会計士であり、個人投資家でもある足立武志さんが書かれたファンダメンタル分析の本がいいと思います。

Amazon.co.jp: 株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書: 足立 武志: 本

 

ここまでの紹介でお分かり頂けるかと思いますが、ファンダメンタル分析を行うには経営、経済そして会計の知識が必要です。どれ1つを取ってみても、一朝一夕で身につくものではありませんし、実際の分析には大変な時間と労力が必要となります。機関投資家であれば独自の調査情報も加えてファンダメンタルズを判断する事ができますが、個人投資家はなかなかそこまではできません。

なのでファンダメンタル分析の注意点としては、自分の分析結果を過信する事なく、機関投資家や他の投資家がどう考えているのか、情報収集を怠らない事です。幸い今はネット環境が整っており、企業に関するニュースを簡単に入手できます。また自分の考えをブログやツイッターなどで公開している個人投資家も多く、とても参考になります。市場や特定企業について分析を行ったら、他の投資家がどう判断しているのか、ネットで調べてみる癖をつけてください。

 

 

最後に③の投資期間について説明します。

デイトレードを除けば、投資期間(ある銘柄を買ってから保有する期間と考えて下さい)は数日〜数週間の短期投資、1ヶ月〜2年程度の中期投資、2年以上の長期投資に分ける事ができると思います。

投資法を紹介する際に「この方法はこれぐらいの期間で回転させます」と明確に説明されない事も多くありますが、その投資法に出てくる事例からどの程度の投資期間なのか必ず確認をしてください。

長期投資と短期投資に優劣はありませんが、それぞれのやり方は全く違います。

例えば短期投資であれば、株を買ったあとすぐに値上がりして、含み益がなければおかしいです。短ければ数日で利益を取りたいと思って株を買ったのにすぐに利益が乗らないのはタイミングを間違えている可能性が大きいです。間違いを犯しているのですから、ここは傷口が大きくならないうちに損切りをするべきです。

しかし同じく株価が下がった状況でも長期投資を前提としているならば、割安になったと判断して、買い足す事もあります。

 

このように、短期投資と長期投資では同じシチュエーションでも対応は全く異なります。投資法を学ぶ際には必ずその投資法が想定する投資期間を明確にし、くれぐれも短期投資の手法で長期投資をしたり、長期投資の手法を短期投資に持ち込まないように気を付けてください。

 

 

投資法を学ぶポイントはこれだけです。

ある投資法について、上記の内容だけでその全てを理解する事はもちろんできません。しかしこれらのポイントを意識して学ぶだけで、吸収するスピードは圧倒的に早くなると思います。ぜひこの3つの視点を生かして多くの投資法を身に付けてください。