○一は全・全は一●

マーケット分析、投資手法の紹介記事がメインです。投資に関する意見や質問はお気軽にコメントください。ブログ紹介:http://skoumei.hatenablog.com/entry/2016/04/30/173822

株価にトレンドは本当にある?

昨日は、日本株が下降トレンドに入っていること下降トレンドでは空売りや日経インバースを用いればテンポよく稼げる事を書きました。

本日も株価は若干下落し、16,642円で引けました。この先、マーケットの流れが変わる出来事がない限り、このトレンドはまだしばらく続くと思います。
 
 
さて、株やFXではよく上昇トレンドとか下降トレンドと言いますが、株の値動きに本当にトレンドがあるのでしょうか。もしあるとしたらなぜトレンドが生まれ、そしてしばらく続くのでしょうか。
 
結論から言うと、マーケットにトレンドは確実に存在します。そして、「マーケットの魔術師」と呼ばれるような凄腕投資家の多くはそのトレンドを利用して投資利益を出しています。
 
ウォール街のグレードベアとの異名を持つジェシーバモアは自分の取引に厳しいルールを定め、マーケットのトレンドに忠実に従いました。1900年代初頭、30歳にして100万ドルの資産を築いた彼は「ローマは1日にしてならず、重要な本物のトレンドも、1日や一週間では終わらない。」という名言を残しています。
 
イングランド銀行を潰した男として知られ、今も世界最高の投資家の一人であるジョージ・ソロスは自信の著書の中で「認知されるかに関わらず、市場には潜在的トレンドがある」と言っています。
 
なぜ、市場にトレンドが生まれるのでしょうか。理由は2つあると思います。
 
①人が市場を形成している
 
今、株価が2000円の会社があるとします。本日決算発表を予定しており、市場のコンセンサス予想はEPS100円だとしましょう。会社はEPS105円だと発表しました。5%のポジティブサプライズです。
 
さて、お聞きします。
この結果に対して市場の全投資家が【瞬時に情報を取得し、同じスピードで判断し、同じスピードで行動をする】なんてことがあり得ると思いますか?
もちろんありえません。即断即行で行動を起こす投資家もいれば、じっくり考えて投資をする人もいます。それは市場のメインプレイヤーである機関投資家も一緒です。行動のタイミングに差が生じれば、価格が上下にブレます。決算後に価格が上昇したとしましょう。その時【価格が上昇した】という事が新たな事実として認識され、投資家の次の投資行動に影響を与えます。判断しかねていた投資家は、株価が上がったという事実を持って、「市場が決算をポジティブに判断した」と考えて株を買い込むかもしれません。そうすると株価はさらに上昇します。市場では日々この繰り返しが起き、トレンドを形成するのです。
 
 
②ゆっくりしか動けない機関投資家
 
トレンドの形成にはもう1つ理由があります。それは機関投資家の特性に由来するものです。個人投資家に比べて、機関投資家は途方もなく大きな金額を扱っています。その動きがマーケットに与える影響はとてつもなく大きいです。ある銘柄に注目して買おうとする時に、一気に買ってしまったら自分自身で株価を釣り上げてしまうことになります。そのため、機関投資家は自分がしたいと思った投資を少しずつしか行えないのです。株を買う例で言えば、一定の期間にわたって少しづつ買い込むことになります。その行動はなるべくマーケットに影響を与えないように気をつけていても、なかなかそうはいきません。長期的に買いが入っている銘柄はやはり上昇傾向になります。そしてそのトレンドに気づいた個人投資家が買うようになり、さらにトレンドが強固なものになります。
 
 
このような理由からマーケットは常に何かしらのトレンドを形成し、そのトレンドに従って動いています。そして米雇用統計や金融政策、個別企業で言えば決算発表や業績予想の修正などトレンドを変えるイベントが起きて、新たなトレンドへと移り変わっていきます。
 
もし投資で思うように利益が上がっていなかったら、現在のマーケットのトレンドと自分が投資しようと思っている銘柄のトレンドを見直して見ることをお勧めします。
 
 
P.S.
トレンドに従った投資も100%ではありません。エントリーをする前に必ず損切り基準を設けて投資を行いましょう。