○一は全・全は一●

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戦略的トレードとは何か

大事な時に2日連続で飲みに行く事になり、記事の更新がストップしてしまいました。ここ数日間の動きをまとめて見てみたいと思います。

 

4/7の日経平均は前日比+0.22%の15,749円、TOPIXは前日比+0.39%の1,272ポイントで引けました。昨日のマーケットは下げ渋り、本日はわずかに上がっています。私は先週からショートをメインとしたトレードを行っていますが、昨日と本日の動きはこの戦略を変更させるようなものではありません。

 

2016年に入ってから、海外投資家は一貫して日本株を売り越しています。その売りも3月第2週の1兆1932億円の売越しをピークに細っていきました。その後日本株のマーケットは出来高が少ないまま推移しています。その間、最も日本株を買越していたのは信託銀行です。言うまでもなくその裏にはGPIFのお金が動いているのだと思います。

年度末には資産を評価しなければいけないので、年度をまたぐまでは積極的に買い支えるであろう事は目に見えていました。

つまり、マーケットの基調としてはダウントレンドにある中で、特定の投資主体が目的を持って買い支えていたのが先週までの相場だったと言えます。裏を返せば、その目的を終えればマーケットは本来のトレンドに従って下がると考えられます。

 

ところが本日の動きを見る限り、年度末をまたいた後も買い支えている資金があるようです。

なぜそう思うかというと・・・

出来高が少なく買い支えることが比較的容易であること

②円高が急激に進んでいるにも関わらず株価がそれに連動していないこと

③現物の場がしまった後の先物市場で日経先物がスルスルと下がっていること

この3点を合わせて考えると、納得がいきます。

 

さて、その資金がなんなのかは容易に想像がつきそうです。

そもそも政府と中央銀行は独立しているはずであるにもかかわらず、政策の中核に大胆な金融政策を据えたり、GPIFが運用方針を変更して債権の運用を約30兆円減らすと発表するのとほぼ同時に中央銀行が長期国債の保有残高を現状よりも30兆円増やすと発表したり、政府と中央銀行とGPIFが連携を取っているのは前々から分かっていることでした。

そう考えると、中央銀行マイナス金利を発表しても思う通りに動かないマーケットに対して、今度はGPIFが影から買い支えているというシナリオが見えてきます。

(余談ですが、それにしても財政政策と成長戦略はどうしたのかと突っ込みたくなりますね。)

 

 

以上のように状況を整理できたら、今後どうするべきかも見えてきます。

この後も孤軍奮闘の状態が続くようであれば、大局に大きな支障はないでしょう。いくらGPIFに資金力があるといっても、マーケット全体を動かし続けられるわけではありません。どこかで力尽きるでしょう。ましてやドル/円レートが110円をあっさり割り、一時は107円台に突入するという強力な逆風が吹いています。この後も多少の抵抗を見せながらもマーケットはダウントレンドが続くと考えられます。

引き続きショートをメインとしたトレードでいきたいと思います。

 

 

ただし、援軍が来るようであれば話は変わります。今の所、マイナス金利発表後の日銀に強力な手札が残っているとは考えられません。しかし、予想だにしないことがしばしば起こるのが世の常です。私にはまだ見えていない奥の手を隠している可能性もゼロではありません。日銀の動きに異変がないか、注意が必要です。

また、今の所は規制緩和やその他の経済を活性化させるような政治面の動きも見えませんが、日銀と同様にトレンドを変化させるような何かが起きないか目を光らせておく必要があります。

細かいことを言えばその他にも、米国株の動きや原油価格の動きなど挙げていったらきりがありません。何がどう影響しあって急にマーケットを変えるか、100%読むことはできないのです。

 

なので、日々勉強して予想を立てることは大切ですが、決して過信せず、思惑と逆に動いたらすぐに損切りをして戦略を組み立て直す。その繰り返しこそが、戦略的なトレードです。