【土曜に考える】人間に勝つAlphaGo
今週のニュースの中で最も注目をしたのは何と言っても人工知能と人間の最強囲碁棋士と謳われるイ・セドル九段の対決です。
結果は人工知能であるAlphaGoの2戦2勝となりました。今後は12日に第3極、13日に第4局、15日に第5局が行われる予定なので、最終的には人間棋士が勝利する可能性もまだあります。
とはいえ、AIが囲碁で人間に勝つには少なくとも後10年かかると言われていたにもかかわらず、まさかこんなに早く実現されるとは驚きです。さらに驚かされたのは、解説を担当するプロ棋士の方が「解説不能」と判断する手を次々と打ったことです。
囲碁の世界において、トッププレイヤーが指す妙手を他のプロが解説できないことは今までもあったそうです。その理由としてあげられるのが、一流プレイヤーは時に既存の定石や論理を超越した「美しさ」という基準で打ち手を判断するからだそうです。
その美しさという判断基準を作っているのはおそらく過去の経験と知識だと思います。積み重ねた経験と知識を脳の奥底で、本人すらも論理的に理解できないレベルで統合したものではないでしょうか。囲碁以外の分野で言えば「直観」も同じ原理だと思います。(余談ではありますが、人間が様々な判断をしなければいけない場面で、迷った時には直観に選択すると成功率が最も高いと言われています。)
AIが打つ手で同じことが起こるということは、ディープランニングの技術はすでに人間の無意識の領域における学習を再現できるレベルまで発展しているということを証明できたのではないでしょうか。
この技術の発展の先にある未来はどうなるのでしょうか。
この問いには世界の専門家でも意見が分かれています。
●人工知能とロボットが人間の雇用を奪う
●ターミネーターの世界が現実になる
などネガティブに捉える人がいます。
一方で
●働かなくても良くなる
●AIがどこまで発達しても人間はコントロールできる
というポジティブな意見もあります。
専門家ではないのでどちらが正しいのかはわかりませんが、歴史を振り返ったときに1つ言えることは、技術の進化は止まらないということです。産業革命で機械が多くの肉体労働を奪いました。それでも機械の開発は止まることはありません。
ポジティブに捉えようと、ネガティブに捉えようと開発が止まることはありません。それならば、明るい未来を描いて、その実現に向けて進む方が有意義だと思います。
人工知能が高度に発達した未来では、きっと食料をはじめとした物質の生産をAIとロボットが行い、人間は仕事をしなくても衣食住に困らないようになるでしょう。
今まで解明できていなかった宇宙の謎や、ヒトゲノムなどの最先端の研究もAIが発達することによって今まででは考えられない速度で研究が進むでしょう。本当に不老不病不死の世界が実現するかもしれません。そんな可能性を感じるニュースでした。